ミシャ:それにしても、まさかライナーと一緒に旅が出来るようになるなんて思わなかったな。
ライナー:退屈だろう? ただ歩き回るだけの生活なんて。
ミシャ:ううん、そんなこと無いよ。 私こういうのって初めてだから凄く楽しいし、 もっと色んなとこ行きたいもの。
ライナー:天覇にいた頃は、ずっとほたる横丁にいたんだっけ?
ミシャ:うん・・・でも、まだいい方よ。 ほたる横丁だったら自由に行動できたしね。
ミシャ:その前は・・・ずっと、暗い部屋の中だったし・・・。
ライナー:暗い部屋?まさか監禁されてたとかか?
ミシャ:う〜ん・・・まぁ、それはそのうちね。 あまり思い出したくないことだし・・・。
ミシャ:ネモの公園って、デートスポットになってるんだってね。
ミシャ:真っ昼間からいたよね、カップル・・・ 羨ましいなぁ。
ライナー:そ、そうか? あそこまで一日中一緒にいるのはどうかと思うけど・・・。
ミシャ:今だってそうじゃない。 一日中一緒にいるし、同じ宿に泊まったりもするし。
ライナー:事情が違うだろ。
ミシャ:あ、そうだ! じゃあさ、今度私達もあの公園行こうよ。
ライナー:え?まあ、行くのはいいけどさ。
ミシャ:あ、ちなみにデートだけだよ。
ライナー:ちょ、ちょっと待てよ! そんないきなり言われても・・・。
ミシャ:ダーメッ!絶対行くの!!
ミシャ:行かないなら今度、青魔法と赤魔法間違ってライナーに使っちゃうかもしれないよ。
ライナー:・・・そ、それは怖いな・・・。
ミシャ:だから、絶対に行くの!
ライナー:拒否権無しかよ・・・。
ミシャ:それにしても、プラティナも結構変わっちゃったよね。
ミシャ:私がいた頃と今とじゃ、大違い。
ライナー:そうかな? 俺が生まれた時から特に何も変わってないと思うんだけど?
ライナー:な、なんだよそれ?
ミシャ:あら?昔のこと思い出したの? じゃあ、私のことも思い出したよね?
ライナー:う・・・すいません。
ミシャ:もう・・・あ、でも昔はデパートメントなんか無かったよね。
ミシャ:それくらいだったら覚えてるでしょ?
ライナー:・・・い、いや、さすがにあれはあっただろ?
ミシャ:何言ってるの? あの場所は昔空き地だったでしょ?
ライナー:えぇっ!? そんな、まさか!
ミシャ:はぁ・・・もういい。 なんか呆れを通り越して疲れちゃった・・・。
ミシャ:そうだ、今のうちに一つ言っておくことがあったわ。
ミシャ:ライナー、いい加減レアードと仲直りしたら? ってか、しなさい。
ライナー:きょ、強制かよ?
ミシャ:だって、そうしないといつまで経っても仲直りできないでしょ?
ミシャ:仮にも、じゃなくて事実親子なんだから、そんな喧嘩腰になってちゃダメよ。
ミシャ:あと何年続ければ気が済むの?
ライナー:そ、そんなこと言われても・・・。
ミシャ:いい加減、見てるこっちが頭痛くなるわよ。
ライナー:しょ、しょうがないだろ? それに悪いのは親父なんだからどうしようもないよ。
ライナー:意見が合わないからっていっつも偉そうにして・・・ワガママな親だよ。
ミシャ:はぁ・・・こりゃ、まだ仲直りには時間が掛かりそうね。
ミシャ:でも、似たもの親子ってことは良くわかったわ。
ライナー:に、似たもの!?
ミシャ:ふふふ・・・気づかないのは本人達だけ、ってね。
ミシャ:あ、そうだ。夢追いの水ってあったよね? 少し貸してくれない?
ライナー:ああ、いいけど・・・何するつもりだ?
ミシャ:うん。 なんか最近不眠症っぽくて困ってるのよ。
ミシャ:だから、寝る前にちょっとこれを使ってあっという間に眠りに落ちようかと思ってね。
ライナー:な、なんだか凄い物騒に思えるのは俺だけか?
ミシャ:そうかしら? 私生活でも使えるんだから便利でいいじゃない。
ライナー:ああ、持ってるよ。
ミシャ:あれって、誰かにあげる用?
ライナー:え?ああ、あげるっていえばあげるのかな?
ライナー:装備してると眠りの効果とか効かなくなるみたいだし、少しとはいえ防御力だって・・・。
ミシャ:あ、ううん、いいのいいの。 そういう意味なら・・・。
ライナー:え、そういう意味って?
ミシャ:なんでもないって・・・ でも、ちょっとつまらないなぁ・・・。
ミシャ:あのさ、プラティナで買ってたあのオボンヌTシャツなんだけど・・・
ミシャ:まさかとは思うけど、あれ・・・ き、着るの?
ライナー:な、なんだよ、突然?
ミシャ:だって、いくらオボンヌ好きだって、まさかオボンヌのTシャツを着たがるなんて信じられないよ。
ミシャ:どう考えてもあれ、買ったはいいけど着られることのないおみやげ物って感じだしさ・・・。
ライナー:・・・否定は出来ないな。
ライナー:結構いいTシャツではあるんだけど、まあ、さすがに俺もあれを着る気にはなれないな。
ミシャ:・・・つまり、着てみたいとは思うわけね。
ライナー:え?どういうことだ?
ミシャ:だってライナー、教会にお礼に行くって約束したんでしょ?
ミシャ:それに、オリカはライナーが下の世界に来た時に助けてくれたみたいだし・・・。
ライナー:ああ、まあ、確かにそうだけどさ・・・。
ミシャ:・・・やっぱり、後悔してる?
ライナー:気にはなるけど、後悔はしてないって。
ライナー:お礼は今すぐは無理だけど、捜索隊の任務が終わったらでも出来るしさ。
ライナー:それにオリカが助けてくれたのは確かだけど、ミシャにだって色々助けてもらったしな。
ライナー:少なくとも、塔の捜索隊に入るよりは安全だろ?オリカの方は心配ないさ。
ミシャ:・・・それって、私の心配はしてくれてるってことかな?
ライナー:さあ?
ミシャ:もう、イジワル!!