オリカ:ライナー、どんすけをプレゼントしてくれて、本当にありがとうね。
ライナー:いや、良いってこれくらい。
ライナー:ってか、わざわざ思い出として自分の故郷に置いてきた人形だろ、これ?
ライナー:そんな思い出にしたいと思ってるものを作って本当に良かったのか、正直不安だったよ。
オリカ:そんなことないよ。あたし、凄い嬉しい。
オリカ:本当はあたし、ずっと寂しかったから・・・
オリカ:だからライナーがこれを作ってくれたとき、本当に嬉しかった。
オリカ:それに、そのおかげであたし・・・なんだろう? 変わった気がするの。
オリカ:誰かを信じよう、誰かになにかしてあげよう、って気持ちって言えばいいのかな?
オリカ:ちょっと前まではそんな気持ちなんて忘れてたし・・・ううん、なかったのかもしれない・・・。
ライナー:無いじゃなくて、忘れてただけだよ。
ライナー:だから最初会ったときも、謳う丘でも、俺を助けてくれたんだろ?
オリカ:あ・・・そ、そういえば、そうだよね。
ライナー:忘れないでくれよ、こっちは本当にありがたいと思ってたんだからさ。
オリカ:ごめんね・・・
オリカ:でも、正直にこんな気持ちになったのは、多分初めてだと思うの。
オリカ:だからまずは、ライナーを信じて、ライナーのために、もっともっと何かしてあげるんだって決めたよ。
オリカ:ねえ、最初に会った頃のあたしと今のあたしって、結構変わっちゃってる?
ライナー:・・・また随分と答えに困る質問をしてくるな。
オリカ:あぁ、ヒッドーイ!
ライナー:冗談だって。でも、正直な話、結構どころの騒ぎじゃないとは思うぞ?
ライナー:初めの頃のオリカって、なんだかみんなと距離を置いて付き合っている感じに見えたからな。
オリカ:・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ライナー:・・・勘違いだったら謝るけど。
オリカ:ううん、勘違いなんかじゃないよ。
オリカ:結構、場の雰囲気重くさせてたりしたよね、あたし。
ライナー:・・・ま、まあ、時々な。
オリカ:やっぱりね。
オリカ:随分、迷惑かけちゃったみたいだね。
ライナー:そうかな? そんな迷惑だなんてことは無かったと思うんだけど?
オリカ:あの頃から、よくあたしの部屋にお話しに来てくれたよね、ライナー。
ライナー:ははは・・・最初は部屋に行くと、何か用? なんて言われてたっけか。
オリカ:あ、愛想無かったよね・・・あれで帰らなかったライナーが不思議でしょうがないよ。
オリカ:でも、ダイブ以外にもライナーがそうやってあたしを気にしてくれていたから、あたしは変われたんだろうね。
オリカ:何かお礼したいんだけど、するとしても、料理くらいしか出来ないし、あたし。
ライナー:あ、あ〜・・・ま、まあ、気にするなって。
オリカ:遠慮しちゃダメ・・・それに、少しずつみんなとも打ち解けられるようになったし、それに、さ・・・
ライナー:は? て、な、なんか近づきすぎじゃないか?
オリカ:こ、こんなふうに、ライナーにくっつくことだって、出来るようになったしね・・・。
オリカ:・・・で、でも、ちょっとまだ恥ずかしいが強かったかな。
ライナー:そうだ、これ、返すの忘れてたよ。
オリカ:え・・・あ、このハンカチ・・・。
ライナー:あの時に受け取ってもらえなかったから、ずっと持ちっぱなしだったのを思い出してさ。
オリカ:あ・・・ご、ごめんなさい。あの時、知らないなんて言っちゃって・・・。
ライナー:気にしてないって。助けてくれたんだから、それだけでこっちはありがたいよ。
オリカ:・・・うん。ありがと、ずっと持っててくれて。
ライナー:礼を言わなきゃいけないのはこっちの方なんだけどな。
オリカ:スラッシュソードってさ、なんか魔法とか炎とかで攻撃するよりも、生々しい痛みを感じさせるよね。
ライナー:まあな。なんたって、デッカイ剣が降り注ぐんだもんな。
ライナー:食らう方にとっちゃ地獄だろうに。
オリカ:あれだったらあの剣、一本くらい使ってみない?
オリカ:装備したら強いかもよ?
ライナー:いや、俺には少しデカすぎるから使えないって・・・。
オリカ:・・・・・・・・・・・・。
ライナー:ん、どうした?
オリカ:あ、うん・・・スクワート村のあたしの家のこと、思い出してたんだ。
ライナー:あ・・・そっか・・・。
オリカ:え? 違う違う。そんな暗いこと考えてたんじゃないよ。
オリカ:ただ、その・・・ボロボロだけどさ、あそこは昔、あたしが住んでたんだよ?
オリカ:それもあたしのプライベート。
オリカ:なのに、そんな場所にライナーを入れちゃったんだなって・・・。
ライナー:あ・・・。
オリカ:そう思ったら、なんか恥ずかしくなってきて・・・。
ライナー:う・・・そう言われると、こっちまで恥ずかしくなってくるって・・・。
オリカ:あはは、ごめんごめん・・・。
オリカ:・・・でもね。
オリカ:でも、ライナーだったから、良かったかなぁ、なんて思ってもいるよ・・・。
オリカ:見られるのは恥ずかしいけど・・・また、一緒に行こうね。
オリカ:シュレリア様ってレーヴァテイルの中でも特別って聞いてたから、ダイブ出来ないのかと思ってたよ。
ライナー:ああ、あれね、ダイブといっても別にコスモスフィアがあるわけじゃないんだよ。
ライナー:だから、オリカやミシャみたいなダイブとはちょっと違うかな?
オリカ:へ〜、どんな世界か少し気になるかも。
オリカ:あ、だからって言っちゃダメだよ! ダイブには変わりないんだからね!
ライナー:わかってるって。
オリカ:それにしても、またライバル増えちゃったな…あたしも、負けてられないや・・・。
ライナー:え、そ、そうかな?
オリカ:だって、よく話してるみたいだし・・・。
オリカ:あたしも負けないように、これからはいっぱい楽しいお話するからね!
ライナー:SERAPHを着たオリカってさ、なんか普通に戦闘参加できそうな感じだよな?
オリカ:全身鎧で固められてるからね。
オリカ:でも、身体能力上がるわけじゃないよ?
ライナー:いや、肘鉄が強そうだったぞ、あの鎧。 肘の所が凄い頑丈そうだった。
オリカ:そ、そんなの出来ないよ。
ライナー:あと、額のあの赤いところから光線とか出したりするんだろ?
オリカ:で、出来ないよ! もう、天使の服なんだからそんなこと出来るわけ無いでしょ?
ライナー:天使って、光線出したり出来ないのか?
オリカ:・・・ライナーの想像する天使がどんなものなのか、あたしにはわからないよ。
オリカ:そういえば、ライナーってSERAPHの格好をどう思う?
ライナー:似合ってていいと思うよ。それにカッコイイしな。
オリカ:よ〜し、それじゃあ今ここで変身してあげるよ。
ライナー:え、ここで?
オリカ:うん、それじゃ、行くよ!!
オリカ:変身っ!
ライナー:おわっ!?
オリカ:えへへ、変身完了。どう、似合う?
ライナー:ああ、やっぱり何度見てもカッコイイや。
オリカ:そ、そうかな?ありがと。でも、二人っきりの時に言われると、少し照れるな。
オリカ:・・・でも、今思ったんだけどさ。
ライナー:ん、なに?
オリカ:いくら似合ってるからって、せっかく二人きりなのに鎧っていうのは、合わなかったかなって・・・。
オリカ:・・・やっぱり戻るよ。
ライナー:戻るって、うわっ、またか!?
オリカ:ふぅ・・・やっぱり部屋ではこっちの方がいいかな。