ライナー:そういえば、メイメイのところにも、本が沢山ありますよね?あの本って・・・
シュレリア:あ、あれはダメ!
ライナー:え、な、なんでですか?
シュレリア:だ、だって、あれはその・・・え、えっと・・・。
シュレリア:・・・・・・・・・・・・。
シュレリア:塔の最重要機密がたくさんだから、ライナーも見たらダメなの!
ライナー:(ほ、本当かな・・・)
シュレリア:リンクしたのは私なんだけど、魔人シャドウを呼び出すのはさすがにちょっと怖かったかも。
ライナー:ま、まあ魔人と言うくらいですからね。それに、かなり強いヤツでしたから・・・。
ライナー:それにしても、ELMA-DSとか魔人とか、考えてみると結構凶悪なものばっかり召還してますね・・・。
シュレリア:あ、あはは・・・今更ながら私もビックリ。
シュレリア:このままだと、ただの化け物使いって思われちゃいそう・・・。
シュレリア:この間「アルトネリコ?」がライナーのザックに入ってるの見たんだけど。
ライナー:うわっ・・・見られてましたか。
シュレリア:あの爆弾がどんな威力を持っているか知ってるの?
シュレリア:この世界が崩壊するかもしれないのよ?
シュレリア:そんな爆弾をいつまでも持ち歩いていて・・・ましてやエレミアの騎士なんだから、もう少し自覚持ってよ。
ライナー:は、はい・・・すみません。
シュレリア:というわけで、早速解体処分しようね。
ライナー:そ、それが・・・解体するだけで危険な代物なので・・・ちょ、ちょっと無理かも・・・わはは!
シュレリア:・・・。
シュレリア:ライナー・・・。使徒の祭壇で解体作業して。終わるまで隔壁全部封鎖しておくから。
ライナー:そ、そんなぁ・・・。それよりも、敵に対して使った方が資源が無駄にならなくていいですよ。
シュレリア:ま、まあ…それはそうだけど・・・。
シュレリア:むぅ・・・。なんだか上手く丸め込まれた気分ね・・・。
シュレリア:ライナー。あの、突然だけど・・・今から大唄石公園にいくから、護衛お願い。
ライナー:え、ええ!? 今からですか? 突然どうして。
シュレリア:ちょ、ちょっと調べごとがあるのよ!
シュレリア:でも、一人でいてウィルスに襲われたら大変でしょ? だからエレミアの騎士として護って。
ライナー:は、はい。全然いいんですけど・・・。
ライナー:でも、それだったら、今度みんなで行くときに一緒に行った方が安全だと思うんですけど。
シュレリア:そ、それじゃダメなの!
シュレリア:塔の管理者と、エレミアの騎士以外は秘密の調査なんだから・・・
ライナー:ええ? それなら尚更、プラティナによって他の騎士団員も一緒に連れて行った方が・・・。
シュレリア:・・・。
シュレリア:・・・もういい。バカ。
ライナー:え!? 俺、また変なこと言いました?
シュレリア:そういえば、この間カルル村の雑貨屋に行ったら・・・まだカエルのぬいぐるみ・・・あったね。
ライナー:いっ・・・そ、そうですね! 早く売れてくれると良いですよね。
シュレリア:・・・。
シュレリア:ライナー。雑貨屋のカエルのぬいぐるみを買ってあげて。
ライナー:お、俺がですか!? しかもなんで!?
シュレリア:あのぬいぐるみが売れなかったことであの雑貨屋がツブれたら、あの村の人達が困るよね。
シュレリア:だから、買って人助けをしてあげて。
ライナー:な、なんか無茶苦茶な理論なんですけど。
シュレリア:エレミアの騎士は一般人の生活を保障する仕事でしょ?
ライナー:は、はい・・・。わかりました。
ライナー:でも、買ったぬいぐるみはどうしますか・・・?
シュレリア:買ってきたぬいぐるみは、私が回収するから安心して。
ライナー:・・・それって、シュレリア様が欲しいだけなんじゃ・・・
シュレリア:ち、違うもん!
ライナー:(なんかシュレリア様、ため口になってから随分甘えん坊になったなぁ・・・)
ライナー:え・・・ええ? 何が・・・ですか?
シュレリア:・・・なんだか、帰りたくなくなっちゃって・・・。
ライナー:・・・どこへ・・・ですか?
シュレリア:リンカーネイション・・・。
ライナー:・・・。
ライナー:また一人になっちゃうからですか?
シュレリア:・・・うん・・・。そうかも・・・。
ライナー:大丈夫ですよ。シュレリア様がどこに行こうと、俺はシュレリア様に着いていきますから。
シュレリア:・・・! ほ、本当に・・・?
シュレリア:・・・ライナー・・・ありがとう・・・。私、いますごく幸せかも・・・。
シュレリア:そうやって言ってくれる人がいるだけでも、私・・・一人じゃないんだって思えるもの。
シュレリア:私・・・本当は数百年の間、ライナーみたいな人が現れるの・・・ずっと待っていたのかもしれない。
ライナー:そうですか・・・。
ライナー:俺も、シュレリア様に憧れていたから、そういってもらえて嬉しいです。
シュレリア:えへへ・・・。それじゃ、お互い幸せね。
シュレリア:・・・あ、でも、リンカーネイションって寒いよ。もう大気圏突破してるし・・・。
ライナー:そ、そうですね。ずっといるのは無理かも・・・。
シュレリア:ええっ・・・。うそつき!
ライナー:そ、そんなぁ。
シュレリア:ねえ・・・そういえば・・・今、夢追いの水・・・持ってるよね?
ライナー:え? あ、はい、持ってますけど?
シュレリア:あの瓶なんだけど・・・欲しいんだけど、もらっていいかな・・・。
ライナー:ええっ!? 前に「いらない」って言ってた気が・・・。
シュレリア:あ、あれはライナーが変なこと言うから…意地張っちゃって・・・その・・・
ライナー:変なこと・・・って、「シュレリア様も根は普通の女の子」って言ったことですか?
シュレリア:・・・うん。
ライナー:気に障っていたらすみません・・・。
ライナー:でも、俺アホなんで、どうして気に障ったのか未だにわからなくて・・・。
シュレリア:それは・・・自分で理由を言うのはちょっと恥ずかしい・・・。
ライナー:そ、そうですか・・・。
シュレリア:・・・。
シュレリア:私・・・ライナーには・・・私のこと特別だって思っていて欲しいの・・・。だから、普通の子って言われたときに・・・ちょっとショックで・・・
ライナー:なんだ、そんなことですか。
ライナー:大丈夫ですよ。その事とシュレリア様が特別な事は別ですから。
シュレリア:・・・本当に?
ライナー:はい。
シュレリア:そっか・・・。良かった・・・。ちょっと・・・落ち着いたかも・・・。
シュレリア:で・・・夢追いの水の瓶・・・
ライナー:あ、元々その話でしたね。どうぞ。
シュレリア:ありがとう・・・。嬉しい。
シュレリア:・・・。
シュレリア:ごめんね。いつも意地っ張りで・・・。
シュレリア:あのウェディングドレスって服、その・・・私にとって、一番憧れの服だったの。
シュレリア:出来れば全て終わったら、現実の世界でも着てみたいかな・・・。
ライナー:いいな、それ。あの服、凄いよく似合ってたしな。
シュレリア:そ、そう・・・それはちょっと、その・・・照れるかも。
シュレリア:・・・。
ライナー:はい。
シュレリア:ライナー、「コスモスフィア第4話ごっこ」したいでしょ?
ライナー:な、なんですか! その具体的な「ごっこ」は!
シュレリア:したいんでしょ? ・・・いいよ。仕方ないけどつき合ってあげる。
ライナー:いや、俺は・・・別に・・・
シュレリア:・・・。
シュレリア:ついに仮想世界のお話、終わっちゃったね。
ライナー:そうですね。なんだかんだで最後盛り上がって、達成感はかなりありましたよね。
シュレリア:・・・そうね。
ライナー:次の仮想世界・・・やりますか?
シュレリア:・・・ううん。もう仮想世界はいいの。十分面白かったし・・・。
シュレリア:それよりも、これからは現実で・・・
ライナー:・・・現実で?
シュレリア:な、何でもない。
ライナー:・・・?
ライナー:ど、どうしたんですか? 突然。
シュレリア:ライナーはどうしてそんなに自分の思う信念を貫き通せるの?
ライナー:信念・・・? 俺、そんなの持ってましたっけ?
シュレリア:自分でもわからないんだ。変なの。
シュレリア:ライナーって、いつも何も考えなし行動するでしょ?
ライナー:ええ、そうですとも・・・俺、アホっすから・・・。
シュレリア:どんな状況だからとか、相手が強いとか弱いとか、仲良しとかキライとか・・・そういうの関係無しで・・・
シュレリア:でも、ライナーはそこに、必ず自分の信念を持っている。「すべてのいのちは等しく尊いモノである」というライナーの信念を・・・。
ライナー:俺はそんな難しいこと考えて生きてないですよ。ただ自分がいいと思うものを考えながら生きるのに精一杯で。
シュレリア:自分の想いを貫き通すって・・・そんな簡単な事じゃないよ。世の中にはそれを曲げるモノばかりが存在してるから。
シュレリア:それを、あたかも空気を吸うのと同じようにやってしまうライナーって、ホントに凄いと思う。
ライナー:あ、ありがとうございます。
シュレリア:私ね、そんなライナーが側にいてくれてるから、頑張れるの・・・。
ライナー:・・・いえ、そんな・・・ 俺も・・・シュレリア様がいるから、シュレリア様を目指して頑張ってこれたんですよ。
シュレリア:・・・えへへ。お互い、いい関係だね。
シュレリア:きっと、こういうのを・・・本当のパートナーっていうんだろうね。
ライナー:そうですね。
シュレリア:ライナー・・・。これからも、ずっと・・・私のいいパートナーでいてください。
ライナー:こちらこそ。
シュレリア:ねえ、ライナー・・・。こんな私と一緒にいてくれて・・・ありがとう。
ライナー:ど、どうしたんですか? 突然・・・。
シュレリア:今の気持ちを伝えたかったの・・・。ライナーが私とお話ししてくれる。私、それが凄く嬉しい・・・。
ライナー:そうだったんですか・・・。それだけで幸せになれるものなんですね。
シュレリア:そういうものなの。 ライナーは・・・どうかな・・・私といて・・・幸せ?
ライナー:俺ですか? ・・・そりゃそうですよ。シュレリア様はその・・・俺の憧れの人ですから・・・。
シュレリア:・・・。
ライナー:そういえば、この間親父とケンカしたときは、フォローありがとうございました。
ライナー:でも、心の支え・・・って、ちょっと言い過ぎなんじゃないですか・・・?
シュレリア:え!? 私が嘘をついたとでも言うの?
ライナー:あ、ありがとうございます・・・。
ライナー:でも、面と向かって言われると、かなり恥ずかしいですね・・・。
シュレリア:あはは・・・言ってる私も、かなり恥ずかしい。
シュレリア:あのね、ライナー。私のコスモスフィア・・・じゃなくて、えっと、なんて言えばいいのかな・・・
シュレリア:・・・まあいいや。私の中にダイブした時に見れる世界って、楽しいかな・・・?
ライナー:ええ、とっても。本当に違う世界の人間になった気分になれますし。
ライナー:あんな世界を作れるなんて、さすがシュレリア様ですよね。
シュレリア:そ、そう? ありがとう・・・えへへ・・・。
シュレリア:まあ、楽しいって言ってもらえるのは嬉しいんだけど…実はちょっとだけ、不安・・・。
ライナー:え? どうしてですか?
シュレリア:だって、私の場合はオリカさんやミシャと違って心の中を見せているわけじゃないでしょ?
シュレリア:だから・・・その・・・私の気持ちとか・・・永遠にわかってもらえないんじゃないかって・・・
ライナー:それはないと思いますけど・・・
ライナー:でも俺、結構鈍いから・・・自分自身が不安ってのはありますね。
シュレリア:それは私も不安。
ライナー:・・・すみません。
シュレリア:ねえ、ライナー! 私、ライナーに見せるようなコスモスフィアはないけど、あったらきっと、もうかなり深い階層まで受け入れてる!
シュレリア:その事は・・・知っていて欲しいの・・・。口で言っても解ってもらえないかもしれないけど・・・。
ライナー:大丈夫です。わかってますよ。
シュレリア:・・・本当に?
ライナー:ええ。
シュレリア:…。
シュレリア:ライナー・・・私・・・これからもずっと、ライナーと一緒にいたい。
ライナー:そういえば、コスモスフィアではいろんな服を着ていますよね。なんか見てる方も新鮮で楽しいですよ。
シュレリア:に、似合ってるかな? 私、ああいうのって全くわからないから・・・。
ライナー:心配することないですよ。凄く似合ってますから。現実世界でも着てみたらどうですか?
シュレリア:え!? う、うん・・・着たいのは山々なんだけどね・・・で、でも、慣れてないし・・・。
ライナー:だからってまさかこれから先もリンケージだけってのもどうかと思いますけど?
ライナー:下の世界にも行けるようになったんですから。
シュレリア:そ、そうだけど・・・似合わなかったら嫌だし・・・。
ライナー:大丈夫ですって。絶対にそんなことはありませんから。何か着てみたい服ってあったりしませんか?
シュレリア:き、着てみたい服? そんな、突然言われても困るってば・・・。
ライナー:あまり深く考えないで、言ってみてください。もし何でしたら、プレゼントしますし。
シュレリア:ほ、本当に!?
シュレリア:う〜ん・・・・・・あ! それじゃあ、オリカさんみたいなのがいい。
シュレリア:うん。ほら、オリカさんが戦闘の時に時々着るあの着ぐるみみたいな服あるでしょ?
ライナー:あれは着ぐるみみたい、じゃなくて完璧な着ぐるみですよ!
シュレリア:リンケージみたいだから、着てて落ち着くかと思ったんだけど・・・。
シュレリア:ほたる横丁、あそこ行くといつも暑いから、ちょっと辛いな・・・。
ライナー:やっぱりいつも寒いところにいるから、シュレリア様は暑がりなんですよ。
シュレリア:・・・。やっぱり冷房を・・・
ライナー:だーかーらー! だめですって!
シュレリア:むー・・・。
シュレリア:それじゃ、10カ年計画くらいで、毎年1〜2度ずつ落としていけば、自然な気候変化だと思われたりとか・・・
ライナー:しませんって!
シュレリア:・・・結構遅い時間になっちゃったね。
ライナー:確かに・・・。
ライナー:もしかして、シュレリア様眠いですか? 目がとろけていますよ?
シュレリア:・・・うん・・・ちょっと眠いかも。
ライナー:それじゃ、俺はそろそろ帰りますね。早く気づけなくてすみませんでした。それじゃ・・・
シュレリア:あ・・・
ライナー:・・・?
ライナー:どうしたんですか?
シュレリア:あの・・・ライナー、1つお願い・・・聞いてもらえますか?
ライナー:はい、何なりと。
シュレリア:・・・えと・・・
シュレリア:・・・。
ライナー:・・・??
シュレリア:・・・えと・・・ライナーのひざの上で寝たい・・・。
ライナー:ぶっ!! ・・・シュ、シュレリア様!? どどどどうしちゃったんですか?
シュレリア:・・・だめ?
ライナー:さ、さすがにちょっと・・・
シュレリア:ライナー。あなたは私を護るエレミアの騎士ですよ。
シュレリア:私の心を護って。これは・・・任務です・・・
シュレリア:・・・。
シュレリア:私、”おとうさん”が生きていた第一紀を最後に、誰かに包まれて寝たことがないの。
シュレリア:ライナーだったら、”おとうさん”とおなじくらい安心できると思ったから…だから、ちょっと聞いてみたんだけど・・・。
シュレリア:・・・言うのにすごく勇気が要りました。ダメって言われたらどうしようって思って・・・。
シュレリア:どんな深刻な問題を決断するときよりも、よっぽど言葉が詰まって・・・。
シュレリア:・・・あの・・・無理してるなら・・・その・・・
ライナー:いえ、大丈夫です。
ライナー:そういう話なら、喜んで。俺はシュレリア様を護るエレミアの騎士ですから。
シュレリア:ほ、ほんとに? ・・・それじゃ・・・
ライナー:あ、・・・ ・・・はい
シュレリア:えへへ・・・
シュレリア:・・・あったかい。
シュレリア:こうやってライナーの膝に埋まってると、シアワセで嫌なことぜんぶ忘れちゃいそう。
シュレリア:もちろんよ。普段は絶対に表に出さないけど、辛いことなんて毎日あるもの。
ライナー:そうだったんですか・・・。
ライナー:俺、そんなこと全然気づきませんでした。ホントにバカですみません・・・。
シュレリア:ううん・・・。気づく気づかないなんて、私にとっては・・・本当はどっちでもいい事なの。
ライナー:でも、気づいていればもっと気をつかってあげられるのに・・・。
シュレリア:あのね・・・・・・私がライナーを特別に思っているのは・・・、実は・・・私自身がライナーの生き様に憧れているからなの。
シュレリア:私・・・ライナーがいつも元気に自分を信じてきてる姿を見て、自分も頑張らなきゃ・・・っていつも思ってた。
ライナー:そんな、勿体ない言葉・・・。
シュレリア:これからも私の側にいて、その元気を・・・私にください。
ライナー:・・・。そんなことでよければ、いくらでも。
シュレリア:・・・えへへ、ありがと。