シュレリア:ライナー、先日作っていた「仲結いの糸」・・・ 何に使うのですか?
ライナー:え?普通に戦闘中に使いますよ。 あれを装備していると、いつもより団結力が上がるんですよ。
シュレリア:・・・誰と?
ライナー:え?いや、主に・・・その時のパートナーかな。
シュレリア:ライナーはそんな糸に頼らなければ、絆を深めることができないんですか・・・?
ライナー:い、いや、そういうわけじゃないですけど、更に増すならいいかぁと思って・・・
シュレリア:そんな、人の感情を外的要因で左右するなんて・・・歪んでます!
ライナー:す、すみません。 それじゃ、以後使用は控えます。
シュレリア:・・・!!
シュレリア:でも、戦闘中は命を賭けた戦いをしますから・・・特例として許可します。
ライナー:え?いや、でも戦闘中に使っても命が助かるわけじゃないですから・・・
シュレリア:・・・。
シュレリア:いえ、少しでも団結力を高めて勝機を高めたいですよね。使用するのは構いません。
ライナー:そ、そうですか・・・それじゃ、お言葉に甘えて今度オリカにでも付けてみますね。
シュレリア:・・・!!
シュレリア:ライナー・・・先日私が道に迷ったときの事ですが・・・どうして私を置いて先に行ってしまったのですか?
ライナー:え?あ、いや・・・でもあれはシュレリア様がいつの間にかいなくなっていたという方が・・・
シュレリア:わ、私が原因とでも言うのですか?ライナーはリーダーなのですから、パーティーメンバーには常に気を遣って行動しないと・・・!
ライナー:いや、そのつもりだったんですけど・・・
シュレリア:本当にもう・・・皆さんの前で呼び出される身にもなってください。恥ずかしいったらありませんよ・・・。
ライナー:・・・。 すみません、不注意でした・・・。
シュレリア:・・・。
シュレリア:何でしょうか?
ライナー:もしかして俺のこと嫌いですか?
シュレリア:・・・え!?
ライナー:いや、だってこの間シュレリア様がほたる横丁で見つかったときは、すごく和やかな雰囲気でオリカとかと話してたのに・・・
ライナー:俺と2人になると、突然その事を怒られたりしますし・・・。
ライナー:もしかして、普段から俺の行動がダメなんだけど、みんなのいる手前、黙ってるだけなんでしょうか?
シュレリア:・・・。
シュレリア:・・・・・・いえ、そういうわけでは・・・
シュレリア:・・・ごめんなさい。
シュレリア:ライナーと一緒にいると・・・何故かこういう言い方になってしまうのです。
ライナー:・・・。
シュレリア:ライナーは優秀だと思ってますし・・・ 信頼しています。
シュレリア:あ、あの、ライナー。 夢追いの水って、持ってますよね?
ライナー:え?あ、はい、持ってますけど?
シュレリア:・・・あの瓶なのですが、頂いてもいいですか? 結構好みのデザインだったので・・・
ライナー:いいですよ、それくらい。えっと・・・。
ライナー:・・・あ、あったあった。どうぞ。 中味は危ないから捨てちゃってください。
シュレリア:ありがとう・・・。
ライナー:でも、シュレリア様も可愛いもの好きなんですね。やっぱり根は普通の女の子なんだなぁって思いますよ。
シュレリア:・・・。
シュレリア:要りません。
ライナー:え?も、もしかして何か気に障りました?
シュレリア:そ、そういうわけじゃありません。 ライナーが・・・変なこと言うから・・・
ライナー:・・・。
シュレリア:・・・・・・。
シュレリア:やっぱり・・・欲しい。
シュレリア:このリフレッシュコア、戦闘の時に使えないのが凄く残念です。
ライナー:まあ、確かにそうですね・・・ 回復量は強いんですけど、かなり時間がかかりますから。
シュレリア:あまり効率のいいアイテムとは言えませんね。
ライナー:シュレリア様って、結構効率を気にしますよね。そんなに厳密に考えなくても、もう少し、ザックリでも何とかなりますよ?
シュレリア:・・・ライナーはまだ経験が浅いから・・・そういうことを言っていられるのです。
ライナー:・・・え?
シュレリア:ライナーも、見積もりが甘かった為に取り返しがつかないことになった時・・・初めて実感すると思いますよ。
シュレリア:その一瞬という時間が、とても貴重だという事が。
ライナー:・・・。
ライナー:そういえばダイブした時にバイト先で着ていたお店の制服!
ライナー:あれメチャクチャ似合ってましたよ。こっちの世界でも着たらいいのに。
ライナー:はい?
シュレリア:ああいうのが趣味なんですか?
ライナー:え?あ、いえ、趣味って言うか・・・ 単純に可愛かったんで。
シュレリア:・・・!!
シュレリア:・・・そうですか。
シュレリア:・・・。
ライナー:あ、いや、だから、趣味っていうわけじゃなくて・・・
シュレリア:でも、そんなに言うなら、一度くらいは仕方ないです。日頃の感謝の気持ちとして、着てもいいかな・・・って、ちょっと思ってます。
シュレリア:あ、あくまで、日頃の感謝の気持ちですよ?
ライナー:は、はい! ありがとうございます・・・。
シュレリア:私、実は学校って行ったことないんです。だから、制服が着られたことはちょっと新鮮でした。
ライナー:ああ、そういえばシュレリア様って学校とか行ってないんですね。
シュレリア:必要ありませんでしたから。だけど憧れてはいました。
シュレリア:せっかくだし、平和になったら、学校に通ってみたいですね。
ライナー:そうですね。早くそんな日が来るといいですよね。
ライナー:・・・え?
シュレリア:い、いえ、だってライナーはエレミアの騎士ですから、いつも護衛として付いていてもらわないと困ります!
ライナー:い、いや、いいんですけど・・・授業中とかはさすがに無理だと思いますよ・・・。
シュレリア:タスティエーラ、随分変わってました。
シュレリア:昔はもっと明るい女の子だったのに・・・。
ライナー:まあ、オババ様って言われるような人だから、そんな活発でいられても少し困る気もしますけどね。
ライナー:それに、その話ってまだタスティエーラが体を持っていた頃の話ですよね?
シュレリア:はい・・・あの頃は私も、まだ年齢が三桁でした。
ライナー:・・・相変わらず、俺にはついていけないな、その年齢の世界は。
シュレリア:あの頃は私も若かったんです。 まあ、外見的には殆ど変わっていませんが。
ライナー:タスティエーラも外見は変わってないんですよね?
シュレリア:はい。外見に関しては数百年前から全然変わってないです。私と同じで。
ライナー:ああ、類は友を呼ぶってやつですね!
シュレリア:・・・。
ライナー:シュ、シュレリア様? どうしました?何か怒ってませんか?
シュレリア:・・・遅いです。
ライナー:へ?
シュレリア:・・・その、部屋に来るのが遅いんです!
ライナー:あ・・・ああ、俺がですか!? すいません!これからはもっと早く来るようにします。
シュレリア:・・・もういいです。 そもそも別に、私が来てくれっておねがいしているわけでもないですし。
シュレリア:ただ、あまり遅いと次の日に差し支えますから、困るんです!
ライナー:そ、そうですよね。 全然気づきませんでした・・・すみません。
シュレリア:・・・。
ライナー:何か俺、シュレリア様の事、ちゃんと護らなきゃって毎日頑張ってますけど、こういうところで全然抜けてて・・・。
ライナー:俺、なんか鈍いみたいで、シュレリア様とかが疲れていたりしても、あまり気づかなかったりすることが多くて、いつもすいません。
シュレリア:・・・あ・・・
ライナー:でも、今回は怒らせちゃったから、これからは・・・夜来るのは控えますね。
シュレリア:ちょ、ちょっと・・・
ライナー:・・・はい?
シュレリア:えと・・・
ライナー:・・・?
シュレリア:ごめんなさい・・・。言い過ぎました。
シュレリア:別に・・・怒ってるわけじゃないんです。 ただ、何故か・・・わからないのですが・・・
シュレリア:ライナーの前だと・・・自分の気持ちと裏腹なことばかり言っちゃって・・・
ライナー:・・・でも、それは俺が気が利かなくて、シュレリア様を怒らせてばかりいるからで・・・
シュレリア:違う!そうじゃないの!
シュレリア:あ、ご・・・ごめんなさい・・・。
シュレリア:と、とにかく・・・ライナーはこれからも、今まで通り・・・来たいときは来てください。
シュレリア:私・・・拒んだりしませんから・・・。
ライナー:・・・はい。
シュレリア:ライナー。ほしのせ通りの雑貨屋で何かしましたか?
ライナー:・・・ど、どうしてですか?
シュレリア:なんだか店員の女の人に、物凄い眼で睨まれた気がしたから。
シュレリア:私の気のせいでしょうか?
ライナー:あ・・・ま、まあ、あの人にはちょっと色々あって・・・。
ライナー:前にオリカが夕飯の買い物をしたんだけど、その時にその・・・サラリと問題発言を色々としちゃいまして・・・
シュレリア:夕飯の買い物?
ライナー:なんか不思議な食い物だったけど、凄く美味いんです。
シュレリア:そうだったんですか・・・。ライナーはミッションの最中に、オリカさんにご飯作ってもらったりして楽しんでいたんですね。
ライナー:え? いや、そ、そうなるのかな・・・。
シュレリア:ま、いいですけど。
シュレリア:私はいつもリンカーネイションに独りでいるだけですし、どのみち無縁の話ですから。
ライナー:い、いや・・・あの、今度一緒に飯食います? ご馳走しますけど・・・
シュレリア:・・・!!
シュレリア:・・・別に・・・いいです。そんな気を遣わなくても。
シュレリア:そういえば、ダイブした先の世界ってどうですか? 楽しんでます?
ライナー:そりゃもう。かなり楽しませてもらってますよ。
シュレリア:そうですか。ならいいのですが・・・。
ライナー:でも、始める前に「色々な世界がある」って言ってましたよね。やるやらないは別として、他にどんな世界があるのか気にはなります。
シュレリア:やっぱり気になるんですね。今回のが終わったら、別のものをやりたいんですよね?
ライナー:あ、いえ、別にそういうわけでは・・・。
シュレリア:やりたいんですよね?
ライナー:え・・・あ、はい・・・。
シュレリア:やっぱり。仕方ありませんね。
シュレリア:そんなことだろうと思って、先日カルル村の雑貨屋に行ったときに、今の流行を本で調べてみました。
ライナー:そ、そうだったんですか!?
シュレリア:ラ、ライナーがやりたいというから、仕方なく、ですよ!
ライナー:そ、そうですか・・・ありがとうございます。 で、最近の流行って何なんですか?
シュレリア:それが・・・さ、三角関係の話です。
ライナー:れ、恋愛物か・・・なんだか恥ずかしいな・・・。
シュレリア:邪魔なライバルを陥れるべく、お互いに罠を張り、時に実力行使で勝利を勝ち取ろうとする三角関係の話。
ライナー:・・・お、おどろおどろしくないっすか?
ライナー:悪いけど、俺、そういうのダメっぽいです。
シュレリア:・・・良かったです。私も、こういうのは苦手だったんで・・・。
ライナー:シュレリア様は、高いところとかって怖く無いんですか?
シュレリア:高いところ?
ライナー:いや、ミシャが極度の高所恐怖症だからさ、シュレリア様はどうなのかな、と思ったんで。
シュレリア:ライナー・・・それは本気の発言ですか? 私がいつもいる場所を考えれば、そんな質問は出てこないと思いますが。
ライナー:あ・・・そ、そりゃそうだ。わはは。
シュレリア:・・・。
シュレリア:・・・いいえ、別に。
シュレリア:・・・。
シュレリア:ちょっとガッカリしましたけど。私のこと、意外と関心が無いってわかりましたから。
ライナー:え?
シュレリア:い、いえ、エレミアの騎士としてですよ! もっと優秀な護衛だと思っていただけです!
シュレリア:段々畑にも結構人が住んでいるんですね。
ライナー:そうじゃないと、何かあった時にすぐ畑を護ったりとか出来ないからじゃないですか?
ライナー:段々畑は、ほたる横丁の人達の食料を作っているそうなんですよ。だから、とても大切な所なんですよ。
シュレリア:・・・そうですか・・・。
シュレリア:・・・。
ライナー:どうかしましたか?
シュレリア:いえ、ちょっと思いにふけってしまって・・・。 そういう生活をしている人って、どんな感じなんだろう・・・って。
ライナー:・・・。
シュレリア:私は・・・この世に生を受けてからずっと、塔の管理者でしたから・・・。普通の生活ってわからないんです。
シュレリア:家族があって、周りに人がいて、仕事したり話したり、遊んだり、敵と戦ったり・・・どんな想いで毎日生活してるんだろう・・・って。
ライナー:・・・。
シュレリア:もし機会があれば、一度そんな生活をしてみたい・・・って思っています。きっと、想像しているほど生易しいものじゃないと思いますが。
シュレリア:滞空岸壁に行った時に思ったんですがあんなところでも、お店を開いている人がいるんですね。
ライナー:露店ですけどね。まあ、だけどアレがあるのと無いのじゃ大違いですよ。
ライナー:あそこまで行くのに色々と道具を使ったりしたら、すぐに補充できますしね。
シュレリア:そうですね。そう考えると、あそこのお店って凄くありがたいです。
シュレリア:でも、だったらついでに、あそこで宿屋でもやってもらいたいと思いませんか?
シュレリア:あそこってキャンプしか出来ないじゃないですか?あそこでテント張るのって、凄く恥ずかしいと思いますし・・・。
ライナー:その辺は我慢しないとダメですよ。それは俺達が特別だから思うことなんですからね。
シュレリア:特別・・・?
ライナー:滞空岸壁って、普通は歩いていくような場所じゃないんですよ・・・。
ライナー:行くも帰るも飛空挺ですからね。わざわざそこで一夜を明かすようなヤツはいないんですよ、普通は。
シュレリア:それってもしかして・・・私たちって、変に思われてるんじゃないですか?
ライナー:そうかもしれませんね。
シュレリア:そ、そうかも・・・って! しっかりしてください! 恥ずかしいのはいやです。
ライナー:す、すみません!
シュレリア:本当にライナーは・・・そういうところ、ズボラなんですから・・・。
シュレリア:最近になって、ライナー達と一緒に旅をするようになったせいでしょうか?
シュレリア:なんだか、またリンカーネイションに戻るのが少し苦になりそうです・・・。
シュレリア:あそこだと、また私・・・ 一人で過ごすことになりますから・・・。
ライナー:・・・確かに、そうですね。
ライナー:そういえば、普段はあそこで何かやってるんですか?
シュレリア:ふ、普段?どうしてそんなこと聞くんですか!?
ライナー:い、いや、普段のシュレリア様って想像つかなかったので、そういえば何してるのかなぁとちょと興味で聞いてみただけです。 (誤字?)
シュレリア:そ、そんなの私の勝手です!プライバシーの侵害ですよ。それに、普通自分より上の立場にそういう事は聞きません。
ライナー:そ、そうですよね!すみません・・・。
シュレリア:・・・。
シュレリア:メイメイやELMAちゃんと遊んだりしてます。もちろん、ウイルスじゃない方の、私のガーディアンですよ?
ライナー:へぇ、そうだったんですか。
シュレリア:他言無用ですよ!?ライナーが聞きたいって言うから、仕方なく教えてるだけですからね!
シュレリア:使徒の祭壇に行ったのって、なんだか久しぶりですね。
シュレリア:ウイルスとの戦いの後、あまり近寄ろうとはしませんでしたから・・・
ライナー:まあ、普段はあんなところ、近づく必要も無いですからね。
シュレリア:それもそうですけど・・・ ELMAは、大好きですしね。
ライナー:えっと、確かシュレリア様のガーディアンの、あの白いやつでしたっけ?
シュレリア:はい・・・。別物とは言っても、外見が酷似してたから、なんだか嫌な思い出です。
ライナー:あ・・・そうだったんですか。
シュレリア:出来れば、もうしばらくあの場所には近づきたくありません・・・。
シュレリア:そういえば、シルヴァプレートにも人が住んでましたけれど、あれ、大丈夫なんですか?
ライナー:あ〜・・・あの人たちのことはあまり深く考えない方がいいと思いますよ・・・?
シュレリア:考えないわけにはいきません。だってあそこのガーディアン、結構強い方なんですよ?
シュレリア:それなのに、平然と畑仕事してたし・・・ 一体何者なんですか?
ライナー:だから。あそこの人達を常識で考えちゃダメなんですよ。あそこに住んでいる時点で普通じゃないんですから・・・。
ライナー:まさかA.B.Rを自分たちで使えるようになるとは思いませんでしたよ。
ライナー:あいつとはネモの街や謳う丘で戦って、あまりい思い出無いんですよね。
ライナー:でもその時にどれくらい強いかはわかったから、凄く頼もしいです。
シュレリア:といいますか、ライナー・・・ 大切なこと忘れてませんか?
ライナー:へ?
シュレリア:A.B.R.は元々塔のガーディアンです。ウイルスに汚染されていただけなんですよ。
シュレリア:だから、今の状況が普通なんです。
ライナー:あ、そ、そうか・・・。 そういえばそうでしたね!あはは!
シュレリア:もう!しっかりしてください!
ライナー:・・・え?なんですか?
シュレリア:・・・いえ、何でもありません。