ミシャ:なんか、いつの間にか魔法もかなり使えるようになったよね、私。
ミシャ:これってさ、ライナーがそれだけ色々とコスモスフィアを見たってことなのよね?
ライナー:え・・・あ、まあ、そういうことになるな。
ミシャ:・・・どのくらい見ちゃった?
ライナー:どのくらいって・・・ま、まあ、その・・・深いところまでは行ったと思うけど・・・。
ミシャ:ほとんど全部、ってことね・・・。
ミシャ:じゃ、じゃあさ、その・・・私が何かを隠してたとしても、ライナーはそれを、その…お見通し、ってこと?
ライナー:べ、別にそんな、心を読めるわけじゃないって。
ミシャ:でも、それと同じようなことは出来るんじゃないの?
ライナー:・・・少しだけなら、多分・・・自惚れかな?
ミシャ:そうは思わないよ。少なくとも、今の私の気持ちは良くわかってるように見えるしね。
ライナー:・・・・・・・・・・・・。
ミシャ:・・・・・・・・・・・・。
ミシャ:・・・夜、自分の部屋に男の人を入れるのって、結構勇気いるし、覚悟決めてるんだけど・・・
ライナー:・・・そ、そうなんだ。
ミシャ:そうなのよ・・・まあ、慌てなくてもいいけどね。
ミシャ:相手がライナーだから、あまりそういう期待はしてないし。
ミシャ:だからって、いつまでも待ってはいられないんだからね。覚えておいてよ。
ミシャ:私のコスモスフィアってさ、もうほとんど全部見ちゃったのよね?
ライナー:え? あ、まあ・・・うん、見ちゃったけど・・・。
ミシャ:やっぱりね・・・あ、別にそれをどうこう言いたいってわけじゃないのよ。
ミシャ:たださ、そうなるともう私にダイブする必要が無くなるっていうのかな? それ、ちょっと寂しいよ。
ミシャ:だから、時々でもいいから、また私にダイブしてくれたら嬉しいかな・・・。
ミシャ:ライナーさ、ハマをくれたりはしたけど、実際にちゃんと演奏したり、その演奏を聴いたりはしたこと無いわよね。
ライナー:え? ああ、そういえばそうだな。
ライナー:さすがは優等生。作った後、吹いたは吹いたけど、ちゃんとした演奏ってわけでもなかったし・・・ ・・・もしかして、音狂ってたか?
ミシャ:まさか。今回作ってもらったのも、昔作ってもらったのも、最高の出来よ。
ミシャ:だからそんな不安そうにしなくていいんだってば。
ライナー:そ、そうか。やれやれ・・・。
ライナー:さすがは優等生。普段、楽器とは無縁の男だから、オカリナなんて演奏できるわけ無いしな・・・。
ミシャ:・・・一体どういう経緯でこのオカリナを作る気になったのかが謎なんだけど?
ライナー:気にしたら負けだって。きっと、当時の俺はオカリナが好きだったんだよ。
ミシャ:自分のことなのに、きっと、なんて言葉を使うなんて・・・まあ、ライナーらしいといえば、らしいか。
ライナー:あ、あれ? 何か、微妙にヒドイこと言われてないか?
ミシャ:気にしたら負けよ。
ミシャ:ま、それじゃあ今日は久しぶりに、ハマを吹いてみるとしようかな?
ライナー:ちゃんと吹けるのか?
ミシャ:失礼な。もらったその日からずっと練習してたんだから、私。
ライナー:さすがは優等生。 それじゃ、お願いしようかな。
ミシャ:うん・・・っと、そうだ。
ミシャ:それじゃあ作ってくれたお礼もかねて、ちょっと頭貸して?
ライナー:は? って、うわっ!?
ミシャ:どう、私の膝枕特等席は?
ライナー:ど、どうって・・・随分と乱暴というか強引というか、大胆というか・・・。
ミシャ:それ、一つも褒め言葉入ってるようには聞こえないんですけど?
ライナー:ってか、いくらお礼だからって、その・・・
ミシャ:あ、ごめんごめん。
ミシャ:こ〜んな美人の私に膝枕されてちゃ緊張しまくりで集中できないわよね?
ライナー:・・・随分と自分に自信がおありのようで。
ライナー:まあ、今のでちょっと緊張解れたわ。
ミシャ:うわ、微妙に酷いこと言われてる? さっきのお返しってこと?
ミシャ:とまあ、冗談はさておき、私はこっちの方がなんとなく落ち着くような気がするし、嬉しいからね。
ライナー:そうなのか?
ミシャ:そうなのよ。それじゃ行くわね。
ミシャ:久しぶりだから失敗するかもしれないけど、笑ったらヤダからね?
ミシャ:そういえばさ、あの大きな鉄骨なんだけど・・・。
ライナー:え? あ、ああ、ごめんな。あんな大きなもの、邪魔だろ? なるべくすぐ使うようにするからさ・・・。
ミシャ:ああ、別にいいわよ、そんなの。
ミシャ:ただ、やっぱり鉄骨使うなら家でも建ててもらいたいなぁ・・・。
ライナー:家!? どうしてそんなものを?
ミシャ:やっぱり木とかより、鉄骨でしっかりと土台作った方が安全だし、安心だもん。
ミシャ:あ、それとやっぱり、広い家の方がいいな。
ミシャ:時間が経てば、その・・・増えるかもしれないし・・・。
ライナー:何の話してるのかまったく見えないんだけど、もう少しメルクの腕が上がって、時間が出来たらな。
ミシャ:白無垢ってさ、やっぱり戦いの時にはあまり着たいとは思えないな・・・。
ミシャ:ほら、アレって女の子にとってはやっぱり、特別なものって言うかさ・・・。
ミシャ:あ、別に嫌いってわけじゃないのよ?
ミシャ:ただ、やっぱり特別な時までとっておきたいかな、って・・・
ライナー:どうする? 服変えようか?
ミシャ:え!? う、う〜ん・・・
ミシャ:い、嫌じゃないんだけどね〜、でも折角着たんだし、う〜ん・・・。
ミシャ:なんだか、ちょっと白無垢を着過ぎのような気がするんだけど?
ライナー:そうかな? まあ、こればかりは着ている本人じゃないとそんな気にもならないか。
ミシャ:別に嫌いってわけじゃないのよ?
ミシャ:ただ、ほら、アレって特別な服だから・・・私も、その、特別なものにしたいし・・・。
ミシャ:それに、戦いの方ばっかり集中してるから、全然見てくれないでしょ?
ライナー:そんなこと言われても、よそ見してたら俺、やられちゃうだろ?
ミシャ:まあ、確かにそうだろうけどさ・・・じゃあ、今ここで変身するよ。
ミシャ:それで今だけでもちゃんと私の姿を見てくれるなら、これからも白無垢着てもいいよ。
ミシャ:もうクレセントクロニクルに戻るの、私嫌だからね。
ミシャ:せっかく出られたと思ったらまた入れられて、また出られたと思ったらまた入れられて、そして出されて・・・。
ミシャ:あんなところ、誰も好き好んで入りたいなんて思わないんだからね…
ミシャ:もう、これっきりにしてくれないとヤダよ?
ミシャ:あのさ、エルフィールって服なんだけど、どこかで見たことあるのよね。
ミシャ:確か何かの漫画だったと思うんだけどさ・・・。
ライナー:そうなのか?
ミシャ:そうなのって・・・知らないで着せてたの?
ミシャ:私、ライナーって実はコスプレ好きのオタクなのかとばっかり思ってたよ。
ライナー:そのオカリナ、ずっと肌身離さず持ってる気か?
ミシャ:えへへ、だって、私の宝物だもん。
ライナー:そうか?まあ、そこまで喜んでもらえるなら、こっちも苦労して作った甲斐があったよ。
ミシャ:ご苦労様でした・・・でも、ライナーはこれを小さい時に作ったんだよね?
ライナー:あ、うん・・・多分な。
ライナー:オカリナをあげたのは覚えてるけど、作った時の記憶が、なんか曖昧でさ。
ライナー:・・・もしかしたら、誰かに手伝ってもらったりしたのかもしれない。
ミシャ:そうなの?でも、あの時オカリナをくれたのはライナーよ。
ミシャ:それに、今回はちゃんと、ライナーが一人で作ってくれたよね。
ミシャ:それで十分、十分過ぎるくらいだよ。
ライナー:そうかな?