ライナー: …一応出来たけど、もう俺には何も言えないよ。
オリカ: 何を作ろうとしていたかはどうにかわかるけど、これ、本当にチェーンソウ?
ライナー: チェーンソウだってレシピには書いてあったけどさ、そうは見えないよな?
オリカ: まったく見えないよ。 ただ、とにかく危ないものってことだけはよく分かるよ。
オリカ: ただでさえ怖いはずのチェーンソウが、どうしたらこんなになっちゃうの?
ライナー: で、でもまあ、ほら、強そうだろ? 絶対にこれを止められる者はいないってやつだぜ!
オリカ: でももし暴走したら、クルシェが危ないんじゃない? 下手したら死んじゃうよ?
ライナー: 大丈夫だって。 ちゃんとそうならないようになってるし、心配だったらクルシェが自分で点検するさ。
オリカ: それって、責任放棄してるように見えるんですけど。
ライナー: 出来た! エバーソング、こいつは超強力だぞ!
オリカ: そんなに強いの?この剣。
ライナー: ああ、今までの剣なんか比べ物にならない くらいに強力だ。 これで戦闘が楽になるぞ。
オリカ: 頼もしいんだけどさ、なんでエバーソングっ て名前なの?
オリカ: やっぱりあれ?振ると音が出るとか?
ライナー: ああ、これの本物を作った刀匠がな、 愛したレーヴァテイルから創った剣 だからだよ。
オリカ: え…そ、それって、生贄?
ライナー: いや、そんなオドロオドロしい剣でもないし、 ホラー話でもないって。
ライナー: ま、まあ確かにそうだけど…
オリカ: …れ、「レーヴァキラー」。
ライナー: だからそんな武器じゃないんだって…
ライナー: よぉし、完成だ! 最強の剣、エオリアの小夜曲!
オリカ: うわぁ…なんかオドロオドロしい…。
ライナー: み、見た目で判断しちゃいけないって! これ、今までの剣なんか比べ物にならないんだぞ!
ライナー: いや、剣というより兵器かな。 今までの武器の中でも一番強力なはずだよ。
オリカ: そうなの? だとすると、凄い剣なんだね。
ライナー: ああ、まあな。 なんたってアカシクレコードやマーキュリー素子まで入ってるんだぞ。
オリカ: アカシクレコードが入ってるなら なんとなく強そうなのはわかるけどさ。
ライナー: さすがレアアイテムだよ。 俺もまさかここまで強くなるとは思ってもみなかったけどな。
ライナー: 早く使ってみたいよ、本当。
オリカ: 私も見てみたいけど…。 でも、強さと同時にオドロオドロしさも凄いことになってるし…。
オリカ: 悪魔の剣って感じがぷんぷんするよ。
ライナー: …最後の最後まで、そう来るんだな。
オリカ: うわぁ、背中に羽が生えてビラビラしてるよ、 この鎧…。
ライナー: なんたって、エオリアの翼、って名前 だからな。羽がついてて当然さ。
ライナー: それに飾りってわけじゃなく、これの おかげで素早さが格段に上がるんだから、 凄く便利だよ。
ライナー: 鎧の方だってハルモニオンをベースにしてる から、大抵の攻撃じゃビクともしないさ。
オリカ: 翼で動きが早くなるってのは凄いね! 私も着てみたい!
ライナー: い、いいけどさ、一応鎧だからそれ相応の 重さはあるぞ?
オリカ: えぇ〜、そうなの!?
ライナー: まあ、一度試しに着てみるか? 意外と平気かもしれないし。
オリカ: う〜ん…何か想像と違ってたから、 やっぱりいいや。
オリカ: でもさ、その鎧ってどう見ても 「歌謡ショーの鎧」って名前があってるよね。 ピラピラしてるし。
ライナー: …着る奴が恥ずかしがるような名前付けるの、 やめないか?
ライナー: さあ、完成したぞ。エレミアの守護神だ。 こいつは強いぞ!
オリカ: さすが、守護神って名前だけはあるね。
ライナー: ああ、エレミアの守護神を模って作った鎧だからな…俺は見たこと無いけど。
オリカ: …え? なんかとんでもないこと言わなかった?
ライナー: ていうか、守護神なんかいたっけかな? その時点で既に色々気になるんだけど…。 三謳神のことか?
オリカ: もう、下手に守護神とか付けるからそうなるんだよ。普通に「エレミアンスーツ」でいいじゃない。
ライナー: 普通にエレミアン…て… 初めて聞いたぞ、そんな言葉!
ライナー: エアメタルジャケ、こいつは頑丈な鎧だぞ!
ライナー: なんたって光学迷彩ローブにユーテリアと エアメタルを混ぜてあるんだからな!
オリカ: 鎧と言うよりは、ジャケットみたいな感じ なんだね。 でも凄く頑丈そう。
ライナー: 頑丈なものばかり混ぜたからな。 凄いぞ、マジで。
オリカ: へぇ〜…でもさ、色々入れたのに 今の名前じゃエアメタルばっかり 目立っちゃうんじゃないの?
ライナー: 一番よく使ったのがエアメタルだったから、 仕方ないんだよ。
オリカ: 他の道具がかわいそうだよ 公平にするために「具だくさんジャケ」の方 が良いんじゃないの?
オリカ: 鎧と間違えて初めて着た人は絶対に鎧と 思ってるだろうからビックリすること 間違いなしだよ。
ライナー: その名前を聞いた瞬間の驚きの方がデカイと 思うよ…。
ライナー: こういう鎧は手間が掛かるけど、 完成したときはかなり爽快だな。
オリカ: うわぁ、凄いね、これ。 なんだか鎧として着ちゃうのが勿体無いくらい綺麗。
ライナー: だろ?やっぱり苦労したせいか、 飾っておきたいって気持ちもあるのも事実だよ。
オリカ: そうだね…でも、着ないのはそれはそれでまた勿体無いような気もするし…。
ライナー: まあ、着てやらないとかわいそうでもあるよな。特にこれ、耐性とか色んなものが詰め込んであるし。
オリカ: やっぱり見た目だけじゃなくて強いんだね。 さすが「チャンバラスーツ」。
ライナー: へへ、まあな…って、名前違うよ、それ!
オリカ: 何もモモヒキなんか作らなくてもいいのに…。
ライナー: でもさ、寒いところとかではやっぱり あった方がいいと思ってさ。
オリカ: だからって、モモヒキだよ? なんかライナー、凄くジジ臭いよ…。
ライナー: い、言ってくれるなぁ…。 でもな、これでも普通の鎧なんかより全然 防御力高いんだぞ?
オリカ: だけど嫌だな。 ライナーがそんなジジ臭いものを履くの。
ライナー: そう言うなって…まあ、履かないオリカには わからないと思うけどさ…。
オリカ: 履くわけ無いよ。こんな「オヤジパンツ」。
ライナー: …いや、まあ、否定はしないけどさ…。
ライナー: いや、まだ誰が着るかは決めてないけど… どうして?
オリカ: ん〜、なんか子供が着るなら話はわかるけど、 私達が着ても似合わないんじゃないかと 思って…。
オリカ: それにこれ…今時こんなセンス流行らないよ。
ライナー: オリカからセンスについて説教されると、 ショックも人一倍だな…。
オリカ: …「暑苦しいTシャツ」でいいよ。
オリカ: ねえ、ライナー…せらうさドレスって、 ライナーの趣味?
ライナー: な、何言ってるんだよ? そんなわけないだろ。
オリカ: そうかな? なんか微妙に信用できないんですけど?
ライナー: いや、だからそういう意味で作ったわけじゃ ないんだって。
ライナー: 自分で作っておきながら言うのもなんだが、これ、本当に着るのか?
オリカ: う〜ん…スーツと帽子は カッコイイんだけどね。
オリカ: ヒゲを着けなければ良いんじゃないの? それなら普通のスーツだし。
ライナー: いや、それがダメなんだよ。 これ、ヒゲをつけないと防御力ゼロになるからな。
ライナー: スーツとヒゲを一緒にあわせることで、初めて発揮されるものなんだ。
オリカ: それじゃもうヒゲダンスーツじゃなくて「ヒゲアーマー」だよ…。
オリカ: うわぁ、見るからに武士道の塊りだね!
ライナー: えぇっ!? オリカ、これに武士道を感じられるのか!?
オリカ: 感じるも何も、見るからに武士道の塊り でしょ?それ以外に何も言えないよ。
ライナー: …そ、そうか?
オリカ: ちょんまげこそ武士道だよ。 さすがは「ちょんまげスーツ」だね。
ライナー: 武士道に対しての間違いはもちろんだけど、 勝手に名前を付けないでくれよ…。
オリカ: うわぁ!凄い細かい細工がされてるね。
ライナー: 細かい作業ばっかりだったから、手と目が これでもかってくらい疲れたよ。
オリカ: ごくろうさまでした。でも、そのおかげで 凄いの作れたじゃない。
ライナー: これだけ疲れた甲斐があるってもんだよ。 人魚のウタ缶を入れる時が凄い苦労したよ。
オリカ: …え?
ライナー: いや、これ作るときに入れたんだよ。 レーヴァリングとにじのかけら、それと 人魚のウタ缶をな。
オリカ: そ、そんなの入れないでよ! やだ、こんな悪魔の冠!
ライナー: …そこまで嫌いか、人魚のウタ缶。
オリカ: うわぁ、凄い大きな冠だね。
ライナー: デカいから簡単かと思ったんだけど、 王冠関係は細工が難しいから大変だよ。
オリカ: ああ、確かに。 結構あちこちに細かい細工がしてあるね。
ライナー: だろ?甘く見てた俺も悪いけど、 まさかこんな難しいとはな…。
オリカ: でも、結構重いね。王冠って意味だけ じゃなくて首を鍛える筋トレ器具みたいな 役割もありそうだよ。
ライナー: 小さいくせに意外と難しかったけど、 何とか完成だ。
オリカ: 綺麗な指輪だね。
ライナー: 唄石とエアメタルに研磨剤をちょっとだけ 混ぜたんだよ。 詠唱時間を減少させてくれるぞ。
オリカ: 謳うのが早くなるってことかな?
ライナー: まぁ、使ってからのお楽しみだな。 あと、炎と氷から身を護ってくれるからな。
オリカ: あ、何かそれカッコイイかも。 炎を撃たれても、手をかざした瞬間に バリアが出たりするんだね?
ライナー: そ、そこまで完璧に防いでくれるかどうかは わからないけど…。
オリカ: この指輪は「バリアリング」で決定だね。
ライナー: あ〜、バリア出なくても恨まないでくれよ。
ライナー: ほら、これを付けてれば謳っても精神力の 消耗が半分ですむぞ。
オリカ: 本当? じゃあ、これからはもっと謳い続けることが 出来るんだね。
ライナー: だからってあまり無茶するなよ。 付加が半分になっただけで、減らなくなった わけじゃないんだからな。
オリカ: うん、でも、こういうアイテムがあるのは 本当助かるし、それに嬉しいよ。
オリカ: 謳っている人のこともちゃんと考えてくれて いるって証拠だしね。
ライナー: そりゃ当然だって。 こっちは助けられている側なんだからな。
オリカ: そう言ってもらえると、こっちも 頑張ろうって気になれるよ。
オリカ: よぉし! それじゃあもっと頑張ろうって気合を込めて 「ハッスルリング」って呼ぶことにするよ。
ライナー: 気合は良いんだけど、他の奴も使うことを 考えて名前付けた方が良いんじゃないか?
ライナー: ほら、これをつければ精神力が大幅に アップするぞ。
オリカ: うわぁ、綺麗なネックレスだね!
ライナー: そうだろ? みんな付けたがらない”あの”指輪を アレンジしたんだよ。
ライナー: これなら、別に嫌がらずに付けて くれるんじゃないかと思ってさ。
オリカ: そうだね。 じゃあ、名前は「お姑さんの首飾り」だね!
ライナー: なんでそうなるかな、ホントに…。
ライナー: よし、こじゅうとの指輪の完成だ。 これをつければハーモニクス状態が 長くなるぞ。
オリカ: …なんか、あまり付けたくないんだけど。
ライナー: ど、どうして!?
オリカ: だって、小姑だよ? 普通女の子に渡すようなものじゃないよ。
オリカ: もうちょっと渡すものの名前を考えて 欲しいな…そんなの、女の子が喜ぶわけ 無いでしょ?
ライナー: そりゃ…そうか。 ちょっと反省。 じゃあ、どうしたらいいんだ?
オリカ: 「小姑さんの指輪」でどう? 小姑「さん」って辺りが結構可愛くなったと 思うけど。
ライナー: そ、そんなモノでいいんかい!
ライナー: よし完成。 まあ言わなくても何かはわかるよな?
オリカ: あ、ペコペコぼうしだ。
ライナー: え、ペコペコぼうし?
オリカ: うん。ほら、これって被った時につばの 部分をペコペコ曲げられるから、 小さい頃からそう呼んでるんだよ。
ライナー: ああ、そうだったのか。 時々あるよな、そういう独特の呼び方って。
ライナー: 仲結いの糸、完成だ!
オリカ: よ、よくあんな材料から糸を作れたね。
ライナー: ほら、ピカピカの毛皮で糸を作れば後は簡単 だよ。ドラゴンのはねを擦り付けるように していけば…。
オリカ: そ、それ、全然仲結いって感じしないよ!?
ライナー: 俺を怒っても仕方ないんだけどなぁ…。